メタル追悼盤 シナジー「スーサイド・バイ・マイ・サイド」

2000年代代表のギターヒーロー、Alexi "Wild child" Laiho の追悼として、今回振り返りでレビュー上げます。


SINERGY 「SUICIDE BY MY SIDE」

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取り上げるのは彼のメインバンドたるCHILDREN OF BODOM (以下COB)ではなく、活動初期~中期あたりのサブプロジェクト的なバンドであったこのSINERGYをおとどけ。


中心人物は、当時はまだ珍しかった女性メタルシンガー(他ではせいぜい当時ARCH ENEMY のAngela やNIGHTWISHのTarja らぐらいのもの)として名乗り上げたKimberly Goss 。
それまではKeyboardで かのDIMMU BORGIR などのバックを務めた経歴を持つ、どちらかといえば裏方・縁の下のなんとやら的な立ち位置。
デビュー時、そのメンツからスーパーバンドとも言われもした。なんたってまず公認のボーイフレンドにしてw期待No.1のギターヒーロー Alexi を筆頭に、当時IN FLAMESのJesper 、ARCH ENEMY のSharlee、DIONYUSUS他の Ronny Milianowicz という北欧メタルのある種オールスター勢ぞろい。
Ronny を除けばエクストリーム(メロ・デス)系のプレイヤーがあつまっているから中身も・・・と思いきや、クリーンボイスの正統派なメロディック・パワー・メタル。メロディアスな歌というよりシャウト気味の発声で、比較するならBruce Dickinsonタイプで後述するIRON MAIDEN の系譜と呼べるだろう。

「BEWARE THE HEAVENS」「TO HELL AND BACK」に続いて'02に発表された本作3rdは、結局のところ4thがAlexiやKimberlyの口から「もう少しで完成だ」「もうちょっと・・・」などとず~~っと言われ続けながら結局出ることなく幻に消えてしまったw、実質ラスト作。


2ndでデビュー時のメンバーがKimberlyとAlexiを除いて総入れ替えとなったものの、こうしたバンドには珍しくw3rdはその2ndメンバーが続投(ただし、完成後にリズム隊が交代している。ちなみにその日の目を見ることなかったw後釜の中には現STRATOVARIUS のLauri Porraも名を連ねていたりも)。
なお、この2nd.3rdのメンツというのも、Roope Latvala(COBがカバーしたこともある同郷の先輩バンドSTONE出身、のちにCOBの2nd guitar として長らくAlexi と活動を共にする)、NIGHTWISH にてBassのみならず男声パートとしても重要なポジションに就くことになる Marco Hietala という、今振り返っても1stにも決して劣らぬ凄腕ぞろい。(ついでで申し訳ないが、DrumのTomni Lillman ex.TO/DIE/FOR も惜しくも'12に38歳の若さで亡くなっている。R.I.P)

先述通り、内容的には正統派メタルで、ギターvsキーボードが売りのCOBに対してツインリードギターを看板とすることに重きを置いた感じだ。実際、のちにRoope がCOBに加入してもSINERGYばりのツインリードはほとんどなかったし、当時YGでも2人のデモンストレーションがDVD収録されてた(Youtubeで検索すれば見つかる)ぐらいで、Alexi VS Roope の先輩・後輩コンビのツインリードを堪能するならば本作をおすすめすべき。
故人をしのぶには歌詞・タイトルの内容がなんとも・・・感が強いけれどww。なにせ作品が”俺のそばで自殺”だしww
(さらについでww、当時の日本語訳は、メタル系はやはり男性至上主義的なところがあってか女性シンガーでもとりあえず一人称が”俺”と訳されていることがほとんどであった。Angela が入った当初のARCH ENEMY もしかり)、
1曲目が「I Spit On Your Grave」・・・オマエの墓に唾吐く、てww(なお、ここではAlexi の痰吐きがイントロにありww/ 余談でCOBがのちにブリトニー・スピアーズの「Oops I Did It Again」カバーで同じことやってるwww/「ARE YOU DEAD YET」収録)。3連のノリを持つリードトラックで、このバンドの特色であるツインリードが堪能できる一曲。以降の曲でも、MAIDEN のほかRACER Xを彷彿させる高速ツインリードも。
終盤当たりのM8.「Shadow Island」では、Kimberly のみならず、Marco のコーラス、そしてAlexi のシャウトwとのツインヴォーカル体制。
ピアノに導かれて静かに始まるパワーバラードナンバーの「Written In Stone」(石に書かれる、要約するなら墓碑銘とでも訳すべきか。)が追悼としては一番かなっているかも。

締めの(そしてバンド作品として事実上の)ラストナンバーは日本盤ボートラで「The Number Of The Beast」、言わずと知れたIRON MAIDEN の名曲中の名曲のカバー。たいていどのバンドが演奏しようとほぼ完コピでカバーされることがほとんどで、このSINERGYバージョンも例にもれず、(バンド野郎どもには脱初心者レベルだろう)Aメロでのひねくれたリズムにせよ、序盤のロングシャウトにせよ、ギターソロで各々のプレイする以外は見事に完コピ。


以上が、今亡きAlexi とその恋仲たるKimberly との共演最終作。改めて聞き返しても、COB後期にも負けない良作ではあった。幻と消えた4thではどうだったのだろうか、Alexi を失ってなおさら悔やまれる。

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