メタルレビュー サンズ・オブ・アポロ「M・M・X・X」

スーパー技巧派集団による、新年早々の2nd

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タイトルがズバリ、ギリシャ数字で「2020」。
そのタイトルしかり、ジャケットの雰囲気しかりで、(Neil Peart の訃報からまだ経ってないし・・・)RUSH の作品(それも後半以降、特に最終の「CLOCKWORK ANGELS」なんかは色合いも/赤と紫で色は違うけど)に通ずるものを感じる。

1st やライブ盤を聞いて待っていたファンにとっては満足いく作品といえるだろう。
JAM SESSION を通して長時間かけ練りに練られたプログレッシブな展開のメタルナンバー。そして各楽器隊による超絶技巧が満載。得意技の変拍子はもちろんのこと、Mike Portnoy のドラムもこれまで以上にアグレッシブな叩きまくりもあり。
6章に分けられるシメのEL&P風大作「NEW WORLD TODAY」(時間は16分弱)のイントロ(I. ASCENSION)では Ron Thal による美しい泣きのギターメロディが聞ける。

技巧派のプレイを求める向きには最適、大満足だ

・・・・

などと、キレイに終わらせたいところだったが、


残念ながら個人として不満が残る作品だ。


不満な点というのは、ズバリ「歌メロが退屈、どの曲も一緒」というところだ。


Jeff Scott Soto のヴォーカルは、確かにYngwie Malmsteen と活動していた最初期と比べようもなく上手くなったし、このバンドでのJohn Payne(元ASIA)のような野太いロック歌唱なんか好きなほうだ(今作ではさらにアグレッシブなシャウトも聞かせてくれたり)。
決してSoto の実力を貶したいわけじゃないのであしからず。


楽器隊による演奏のほうが前面に押し出される反面、歌のメロディがそれと釣り合っているとは思えない。1st と今作を続けて聞き流してみても、歌だけ取り出したらどの曲もほとんど変わらない印象だ。DREAM THEATER にMR.BIG そしてGUNS 'N ROSESなどなど各メンバーの本家または古巣と比較すると到底及んでいないと感じる。(ぶっちゃけ、Soto が一時期在籍したJOURNEY でもしこんな歌メロだったらCDたたき割る)
JAM を通して・・・とライナーに書かれているが、楽器隊による演奏メインで歌が置いてけぼり感があり、そこが非常に残念。もしそのつもりだったら、このLIMITED EDITION のCD2、インストルメンタル盤だけで発売しておけばよいとさえ思う。
新人バンドの鬼門・2枚目のジンクスが有名だが、見事にハマってしまったよう。


最後の最後で散々叩かせてもらったが、やはり自分は演奏と歌が対等であってこそと思っている。それこそ大先輩であるRUSH もEL&Pもそうだったろうし。
Derekたちには、ぜひ次回作での歌メロの向上を期待したい。少なくとも演奏に対等であるぐらいには。

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