振り返り「NANOHA Detonation」 キリエvsイリス 2

キリエとイリスの戦い、それぞれの思いのぶつけ合い。

本題の前に、
この一連の場面での見どころは、日笠陽子の超絶演技によるイリスの絶望の姿、そしてそれと対をなして力強く立ち向かうキリエ。バックで流れるキリエによる挿入歌「Daylight on Brave」の歌詞を読んでもらえれば、それがキリエが見出した答えそのままだが、ここではもう少し掘り下げて。ちなみにこの歌はディレクションにより感情的にならずどちらかというと淡々と歌うよう佐藤聡美に指示を出したと聞くが、本編のバトルの濃厚さに対してなるほど程よくバランスが取れている。ちょっとバック演奏とギャップがある千夜@ごちうさという感じもしないでもないが・・・。


さて本題へ

ここでは、キリエとイリスの”嘘”との向き合い方を中心に見ていく。


・イリスと”嘘”


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キリエを騙し、ユーリを洗脳し、猫たちの記憶も奪い自分の目的の為行動していたイリス。
しかし、その行動自体、ユーリへの復讐心自体が植えつけられたものだったと知った時、本当の意味で絶望へと突き落とされたのであった。Reflectionのときにはイリスを「すべてを諦めた成れの果て」と評したけれども、このDetonationを見るにこの復讐劇にこそ自分に残された最後のもので-それが自身の人生を終わらせることにせよ-そこに希望を見出すような姿も見れたが、結局は”嘘”に振り回されただけですべての希望も絶たれ「これって報いなんだわ」とただ嘆くだけ。Reflectionでの終盤、銃を向けるキリエとのやり取りのときとはまるで逆転した姿。

もはやイリスは自暴自棄。キリエにこれまで接してきたのはすべて利用するためで、友達だなんて”嘘”だと口にする。藤真拓哉によるReflectionサイドストーリーと比較してみればどこまでが真実でどこからが”嘘”か、今一度見返してほしい。
イリスにのこされたのは、なにもかもを”嘘”として捨て去ること。希望、友情、そして未来さえ。

出撃前のクロノが口にしていた、「最後には生きることからも逃げてしまう」まさにその言葉通りの姿。




だから、さっさと・・・

逃げなさいよおぉぉぉぉ!!



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自分は”嘘”に逃げ、そしてキリエという”希望になるかもしれなかった可能性”もすべてを諦めた、この瞬間こそがなれの果てと呼べるものかもしれない。


必死に洗脳に抗うも、ついに引き金を引く。

・・・その先に映るものは・・・



・キリエ・フローリアンと”嘘”


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「システム・オルタ」を発動し、砲撃を凌いだキリエの姿。

キリエの答えは、


「逃げないよ!!」


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(佐藤聡美も着目する)力強い「瞳」で現実も”嘘”も見据えるキリエには何の迷いもない。
Reflectionまでの(個人的に評した)”現実から目をそらしていた、おとぎ話の魔法使いを夢見るだけのお嬢ちゃん”の姿、そしてイリスが侮っていた弱虫の姿は全く見られない。

イリスの言葉がどこまでが”嘘”か知る由がなくとも、ただ頭ごなしに否定するのではなく、受け止めたうえで
「それまで過ごした時間は嘘じゃない!」、それが答え。
言葉を口にするだけでなく、「システム・オルタ」でイリスと対峙することもまた意味のあること。
出力制御がめちゃくちゃという(アミティエ評)、兵器であるイリスでしかまともに扱えないだろうこの危険な加速機構もイリスからもらった真実であり、それを発動してイリスと対するということは、すなわちイリスと対等である、自分も同じ罪を背負うという意志の証明ともいえる。自分の身も危険にさらすことも覚悟の上、という宣言でもあろう。

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そのキリエの姿にイリスが思うことは何か。
”嘘”に負けて逃げるしかできない自分、それに対して目の前にいる弱虫だった女の子がそれに向かっていく姿を見比べての自分の情けなさ。抗うことがもはや限界のこの状況から救い出してくれる一縷の希望。そういった思いのごちゃまぜ。(ウィークリームービー4週目でそうした気持ちについて少し触れられている)


イリスは現状、マクスウェルの支配から逃れられず、ただキリエとぶつかるしかできない。
そんなイリスを、”嘘”に苦しめられ泣いている友達を見捨てられないと、それに応えるようにぶつかる。

キリエにとってはおそらく、イリスが今ついている”嘘”、イリス自身のためにもならずただすべてを諦めるしかない”嘘”こそが、今まで騙してきたこと以上に許せないものに違いない。泣きながら叫ぶキリエの絶叫からはその”嘘”に対する強い怒りが伝わる。


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この戦いが描かれるのはここまでなのだが、

単純に決着なんてつけられない類のバトルだからだろう。
おそらくはこのまま続けても、スペック的に戦闘力が無限に近いイリスには勝てず、遅かれ早かれキリエがシステム・オルタによる身体負担でジリ貧に敗れるのが目に見えている。
この戦いにおけるキリエの立ち位置を見れば、黒幕マクスウェルをおさえるため、計画の要であるイリスの気を引く時間稼ぎという役割というところだ。


ViVid Strike!でのフーカvsリンネのような、心の中のぶちまけあいこそがここでのメインだ。

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